| クロシオ試乗レポート 第1回 |
| はじめに 11月18日大西風の海で、NEWクロシオプロト1の性能テストを実施しました。 場所は、葉山森戸海岸〜名島周辺海域です。 水温17度位、南西風速10メートル前後の時化たコンディションでした。 試乗レポートの内容は、主にクロシオを良く知っている西風メンバーを対象に 旧クロシオと、NEWクロシオとの性能の差や仕様の違いを比 較対象しながら書き綴ってみました。 今回は、製作者自らのレポートですので、その旨をご了承ください。 次回は、第3者からの辛口試乗レポートをご紹介したいと思っています。 クロシオプロト001 スペック カラー:クリアーブルー塗装 材質:エポキシカーボンプリプレグ 成形:オートクレーブ一体成形 コンポジット:全面カーボンサンドイッチ構造 先端・キール部:板厚5mm ボトム:板厚3mm デッキ最薄部:板厚2,5mm 全長:484cm 全幅:45,5cm 本体重量:17kg 総重量:23kg 装備:4ハッチ、4荷室、3バルクヘッド デザイン:加藤隆司 本体製造:株式会社東京アールアンドデー プロデュース:KCS ハプニング 小春日和の大安吉日、与兵衛丸でクロシオの梱包を開いた。 偶然通りかかった近所の人々が、珍しそうに立ち止まって「きれいだね〜」「高そうだけど いくらぐらいなの? 」等と、次々に話しかけてくれた。 私は、念願の進水式を前にソワソワと浮き足立ちながら応対していた。 早く海に出たいのだが近所付き合いも大切である。 海は、しだいに凪から南西の風が強まり波立って来ていた。 そのうち困ったことが起こってしまった。 その日は 、民宿与兵衛丸の屋根がペンキ塗り替え工事中で、風が強くなった為に作業中のペンキの飛沫がブローとともに時折こっちへ飛んで来た。身を持って防ぎながら緊急避難したのでクロシオは無事だったが、私のパドリングジャケットには、ブルーの水玉模様がたくさん出来てしまった。しかたがない、進水記念の印だと思うことにした。 カヤックという道具 クロシオを肩に担いでみる、コーミング内側サイブレイスの少し後方に肩を当てて支点にすると、うまくバランスを取ることができた。 また
クロシオを二人で運搬したり裏返したりする際には、自然に掴みたくなる場所や手がかりが欲しくなるような位置に うま くトグルやデッキロープが配置されている。
バウやスターンの先端部は、掴みやすい大きさのドーム形状をしていて掌に優しく持ちやすい。道具としての使い易さとは、こんな何気ない作業時にその良さを感じるものである。身体に触れて違和感のある形状や、危険な突起物やエッジ等は全く無い。当たり前のような事だが、これらの条件を満たしているシーカヤックは、少ないのが現実である。 NEWクロシオのロープは、オリジナル製作した物である。直径5mmのダイニーマ製ロープは、ブラックに蛍光イエローの模様が入っていて、引きちぎり強度900kg耐の強度を持っている。艇の前後最先端部には、カーボン トグル(約40%軽量化)が装備されている。 旧クロシオでは、ロープ穴の構造上、摩擦でロープが切れやすかったが、新デザインは、カーボンパイプのロープ穴がボディをトンネル状に貫通して成形されているため頑丈で防水性が高い。
ロープの滑りがスムーズで痛まないようになっている。 デッキライン用のフェアリードリセス(凹)は、旧クロシオではパーツをボルトナットで固定していたが、NEWクロシオでは、全てのフェアリードがデッキと一体成形されて
おり、10mm厚カーボンのムク板に直径6mmのトンネルが空けられている。9年目の成就 風が上がり、砂が飛びはじめた砂浜にクロシオを置いて写真撮影。周囲の景色と比べると異様なほど黒光りしていて異質な感じが漂っている。普段はカヤックに興味など持たない釣りボート屋のスタッフが近寄って来て「進水式ですか?凄いですね カーボンですか?」と驚いて見ていた。それだけインパクトの強い存在なのだろう。確かに興味を示してもおかしくはない、クロシオの色艶といい質感といい一般人が普通は目にするような代物ではない。シャンパンを開け乾杯!!お神酒をたっぷりと振りかけ誕生の喜びをあらためて実感した。 航海の安全を祈願しつつホームベースの海に進水させた。無事に浮かんでくれて本当にホッとした。 構想から9年、製作に着手して3年間を費やしたカヤックである。
感無量であった。 渚に浮かんだNEWクロシオは、全長484cm(4cm長くなった) 全幅54,5cm で、全体がカーボンクロスが透けるブルーブラッククリアー(黒潮色)塗装が
施され、強い日差しを浴てピカピカに輝くボディは、旧クロシオに比較して一見して分かるほどバウとスターンが、気持ち良く反り上がっている。 海に浮かぶ姿は、まるで
以前どこかで出逢ったことがあるような海獣や鯨類に似た?海洋生物のイメージを持ってしまう。最強のボディ 旧クロシオの総重量16kgに比べて、NEWクロシオは、ボディの板厚が約2倍に強化され、ボディ容積は大きくなった。さらにハッチ&バルクヘッドが4個所に増設したにもかかわらず、総重量は、7kgしか増えていないのである。各ハッチの軽量化と、ボディやパーツにふんだんにカーボンを使用したからこその成果である。私の愛艇アカシオ2号は、型こそ旧タイプだが、NEWクロシオと同様のカーボンサンドイッチ構造であり、コックピット〜前後バルクヘッドまでの板厚を約2倍に増強した仕様になっているが、総重量は27kg(新品時)である。NEWクロシオが、いかに進化ながらも軽くなっているかが理解できるだろう。 また ただ単にボディの皮膚が厚いだけでは無く、フォーミュラーレーシングカーと同じ素材の最高級カーボンコンポジット製だということを忘れないで欲しい。単純に計算しても旧クロシオ×2倍以上強くなったことになる。さらに
シ ート・コーミングと、ハッチ&リムも大幅に補強され、バルクヘッドが増設されたことも、一体成形されたボディ殻の強度を高めている。 |
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