クロシオ試乗レポート 第2回
進化したコックピット周辺
ホームゲレンデの七桶で進水。馬乗りにまたがった第一印象は、「堅い!!」デッキがものすごく頑丈である。 リアデッキが、なだらかな尾根様形状のデザインになっている為、自然に艇の中心線上に座れるからバランスを取りやすい。 またデッキのスロープが股間節に優しい角度だ。 リアハッチが、精度の高いフラッシュサフェースなので尻の下に凸凹が無く座り心地が良い。 馬乗りに またがったまま スムーズにコックピットまで移動できる。 また旧モデルのようにラバーハッチを膝や肘で破ってしまうようなリスクも皆無である。 バランスを取りながらコックピットに滑り込んでみる。実にスムーズだ! 旧クロシオよりも安定している気がする。

コーミング内側のサイブレイスは、一回り小さく(5mm縮小)なってシートに座った状態での足膝 の出し入れがしやすくなったが、操作性やニーグリップ時のホールド性には全く問題は無い。 材質及び板厚が強化されたバケット型シートは、剛性が格段に向上したので、どんな強いアクションにも全くゆがみや変形は無かった。 シート側面のデザインが改善されリーンコントロール時の大腿部外側の自由度が確保されて座り心地がとても良くなった。 シートストラップ取りつけ部も堅固に補強されて安心度が増した。


こだわりの装備

シーカヤック用フットストラップの取り付け方は、大抵が船体両側に4個所ドリルで穴を開けて、内壁にボルトナット等でレールを接合させ、そのレールにペダルやバーをセットする方法がもっともポピュラーである。既製品のパーツも数多く流通しており、旧クロシオやゼフィルもイギリス製のキーパーズフットレストを使用している。この方式だと船体でもっとも重要なボトムに複数の穴を開けなければならないし、シール部が劣化すれば水漏れのリスクがある。また船体強度や耐久性にも不安が残る。従来の方法で、穴を開けない場合は、コックピット内側壁面にグラスファイバーやパテ等でプレート付きのボルトやレール自体を積層して固定する方法(イギリスP&H社)があるが、やはり耐久性やメンテナンスに問題がある。

そのような今までの方式では、NEWクロシオのコンセプト「ノーリベット、ノーホールカヤック」を達成することができないので、初めから全く新しい方法が検討された。当初は、カーボンハニカム構造梯子式フットバーの採用が有力であったが、私が過去のレーシングカヌー競技の経験に基づき木製ストレッチャーの採用を決めた。

クロシオのコックピット内に はめ込んで固定する画期的な方式のフットストラップが発明された。 この檜木板製ストレッチャーバー(フットストラップ)は、かなり具合が良い!! ペダルよりもバーの方が、足の接蝕面が広く操作しやすいし、ふんばりも効く。シンプルな構造ながら耐久性に優れている。 木は、その得性を生かせば、ハイテク素材に負けないほど軽くて剛性が強い製品が造れる素晴らしい素材なのである。 檜は、水に強く木肌が素足に優しい。 コックピット内に良い香りがするし、フィトンチッドの癒し効果が期待できるか もしれない。



コックピット直前のデッキには、直径10cmの小型ラバーハッチが装備(世界初)さ れている。簡便性を重視したシンプルなシステムで、開閉がとても簡単で、スプレース カートを外さずに素早くグッズが出し入れできるのでとても便利だと思う。デッキ下側 に突き出たカーゴスペースは、2リットルほどの容積があり、カメラや飲料水500c cのペットボトルの収納が可能である。パドリングの邪魔にならないように充分考慮さ れていて、コックピット内のデッドスペースに絶妙なデザインで配置されている為、パ ドリングの際中でもほとんど気にならなかったし、乗り降りの際にも全く邪魔にならな かった。



コックピット左後ろには、エクストラハッチがある。 荷室容積の大きいこのラバーハッチは、防水性能を重視したのできっちりとはまるが、単独パドリングの際には、水上で の開閉に多少トレーニングが必要かもしれない。 私、個人としては、問題なく開閉作業をすることができた。 左手で開閉作業中は、右サイドでスカーリング等々サポートしながらバランスを維持することができる。(2004年〜 クリップオンハッチを標準装備)





新発明ハッチシステム
フロントとリアの大型ハッチは、本体と同じ強度を持った材質でできており、デッキ面と一体になっている為(フラッシュサフェース)波や風の影響が少ない。 またラバーハ ッチのように不意に破れたり、紫外線で破壊されることもない。 ハッチの開閉と固定方法は、ショックコードを利用したシンプルで合理的なシステムが発明された。(意匠登 録手続き中)  インナーハッチは、柔らかいMGS特殊ネオプレーン素材をハッチリムの形状に合わせて3次元カーブで立体裁断縫製して作られており、今回の試乗では、完璧な防水性が立証された。



バウの眺めは最高
クロシオのコックピットに座って眺める波浪は、とても美しかった。クロシオのバウ・デッキのスタイルは、とても気に入ってしまった。 常に視野の中にあるバウやデッキだからこそ、自分の好みに合っているか否かは重要な問題である。 クロシオはデッキに無駄な凹凸が無くシンプルで機能的な形状をしている。 見飽きる事が無く、私が過去に乗ったどのカヤックよりも満足できる良い眺めであった。

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